ペトロ岐部と187人列福式
江戸時代を通して、このような名もなき殉教者が全国で何千人もいたといわれる中、バチカンのローマ法王庁は今年6月1日、最も厳しい迫害時代の1603年から1639年までに殉教した188人を「福者」として承認することを正式に決定しました。
日本カトリック司教協議会が1981年から独自に地道な調査を始め、全国各地に埋もれた殉教者の資料を収集し、申請。ついに、法王の裁可が下ったのです。福者とは聖者に次いで崇拝される対象です。ハンセン病患者のケアに命を捧げたダミアン神父や、ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサも福者の称号を与えられています。
厳しい拷問に耐え、ゆるぎない信仰を貫き通した福者たちです。その中で最も有名だったのがペトロカスイ岐部なので、列福式の名前も「ペトロ岐部と187人列福式」となっています。ローマで安穏と暮らす道をすて、日本で迫害に耐えながら信仰を貫く人々を導くために死を覚悟して日本へ戻ってきた功績が認められたのでしょう。