エルサレム
マカオからマラッカ、ゴアへは船で渡り、そこから岐部は一人で陸路インドからペルシャを経てヨーロッパを目指しました。ホルムズ、バグダードを経て、日本人としてはじめてキリスト教徒のあこがれの地であるエルサレム入りを果たしました。
当時ことばも風俗も知らず、砂漠の生活になれない者の一人旅は、生死をかけた決死行です。砂漠を渡るとき、ペトロカスイ岐部はイスラムの隊商に加わって一緒に歩いたそうです。日に7度メッカに向かって祈るムスリムの生活を目の当たりにしたことでしょう。幼いころから慣れ親しんできた聖書の世界を肌身に感じることができたのでしょう。